トコロジストの会

第3回 | 選定地

上和田野鳥の森

[所在地] 神奈川県大和市 [面積] 42,000㎡ [活動開始] 2010年5月

 神奈川県大和市にある「上和田野鳥の森」は、広さが4.2haで高低差が約10mの緩やかな斜面緑地です。森の中央部には湧水と湿地があり、オニスゲやツリフネソウの群落など貴重な自然が残されており、湿地に沿って散策路が整備され市民の憩いの場となっています。
 森の中にある湿地は、1970年頃まで田んぼで多数の水辺の動植物が生存していたとのことですが、今は耕作放棄地となり、一部は乾田化し、薄暗い笹薮になっていました。トコロジストの会では地権者や周辺住民の同意、ならびに地元の「上和田野鳥の森を守る会」の協力を得て「ビオトープ池」を掘り、水辺の動植物の再生に努めています。池は2011年末にできたばかりですが、早くも2012年夏にはこれまで無かった水辺の植物が20種類ほど見られるようになりました。また、観察会では、水の中に潜るクモ・キクメハシリグモを見つけました。神奈川県内では初めて見つかったクモで全国でも10都府県ほどでしか見つかっていません。
 当会では、生物調査や湿地・緑地の保全・再生・創世を行うとともに、活動により得られた知見を広く市民に公開することにより貴重な自然を守っていきます。

掘ったばかりのビオトープ池(2011年11月)
観察会の模様(2012年9月)