
第4回 | 選定地
赤城山ヒメギフチョウ生息地
[所在地] 群馬県渋川市 [面積] 700,000㎡ [活動開始] 1984年4月
ヒメギフチョウは1986年に群馬県の天然記念物に指定されました。生息地は標高1,100m付近の雑木林でカモシカ・ツキノワグマや、クマタカなどの鳥類も多く生息しています。植物でも10種以上のスミレ類が確認されるなど生物多様性の豊かな地域です。しかし、指定後も下草の繁茂が著しく、生息環境として適さなくなりヒメギフチョウの絶滅が懸念されていました。
生息地では「赤城姫を愛する集まり」が野外での観察データを20年以上蓄積しています。データをもとに「ヒメギフチョウ保護連絡協議会」は『ヒメギフチョウ保護管理計画書』を作成し、これにのっとり生息環境整備等の事業を実施しています。協議会は集まりを含めた地域の研究者、地域の住民、行政担当者で組織され、事務局は渋川市教育委員会文化財保護課です。
現在は行政の委託による間伐、地域小学校の父親クラブが中心になり実施される下草刈り等により生息環境の整備が行われています。下草刈りには毎年100名以上の参加があります。小学生が育てた雑木苗と食草の植え付けも実施しています。活動はヒメギフチョウの保全にとどまらず、広報等も得て住民全体が支える、地域環境の保全活動に広がっています。

