瀬上さとやまもりの会

第3回 | 選定地

瀬上市民の森

[所在地] 神奈川県横浜市 [面積] 約1,000㎡ [活動開始] 2005年7月

 瀬上市民の森は、横浜市の南部に広がる円海山緑地(横浜南の森とも呼ばれる)の一角にある谷戸「瀬上沢」に位置します。谷戸は源流域で本来は湿地環境のため、古来、谷戸田と呼ばれる水田が広がっていました。しかし1960年代以降は耕作が放棄され、それに伴って土砂の堆積や乾燥が進み、景観の変化のみならず在来の生きものの生育、生息環境の劣化が進みました。
 私たちは横浜の原風景と在来の植生や生きものを保護するため、地域の環境ボランティアや住民の手によって、瀬上の湿地再生の活動をスタートしました。当初から実効性のある保全を実現するため、その環境や生きものの調査(環境調査)、湿地や水辺を再生し維持する作業(環境管理)、そして市民に対する保全意識の啓発(環境教育)という3 つの活動のバランスを重視してきました。また、湿地の一部に不耕起で冬期湛水の谷戸田を復活させ、かつての里山的な景観も取り戻しつつあります。
 カエルやトンボが産卵し、ホタルが飛び交い、四季を通して在来の野草が咲き、多くの野鳥たちも姿を見せるこの環境をもっと広げ、次世代に引き継いでいくために、これ からは人材の育成に更に力を注いでいきたいと考えています。

*選定された時には、瀬上の森パートナーシップ(SMP)として上記の活動を行っていましたが、2012年に横浜市、地権者ならびに瀬上市民の森で活動する市民団体が共同で保全管理計画を策定し、SMPを含む4つの市民団体が統合されました。このため、選定団体名を新団体「瀬上さとやまもりの会」、選定地を「瀬上市民の森」としました。

【調査風景の写真】生きもの調査は環境省の「モニタリングサイト1000里地調査」に参加して行っています
【田植えの写真】不耕起で冬期湛水の谷戸田には早春にたくさんのヤマアカガエルが産卵にやってきます