NPO法人 黒浜沼周辺の自然を大切にする会

第3回 | 選定地

黒浜沼周辺

[所在地] 埼玉県蓮田市 [面積] 約12,000㎡ [活動開始] 1987年5月

 会は1987年5月、「谷地沼として貴重な生態系を維持している」との理由で埼玉県自然環境保全地域に指定されている、黒浜沼上沼・下沼二つの沼とその周辺の自然を確実に保全していこう、と蓮田市や市民有志の呼びかけで発足。当時の会員は、地権者や市民有志40人でしたが、現在は160余人です。2000年12月には特定非営利活動法人として再発足しました。
 会活動の大きな柱は、沼周辺の動植物の生育環境の整備と保全です。併せて優れた自然環境を活かした環境学習の推進と充実です。また、2009年には蓮田市の指定を受けて蓮田市環境学習館の管理・運営に当たりその活動の推進とともに埼玉県の緑のトラスト11号地として黒浜沼周辺のトラスト保全活動にも力を入れています。
 ホタルの復活は会の長い間の懸案でした。1999年2月にわき水がある休耕田を借り、500㎡の水場を造成、周辺のヨシ原や休耕田を探してほんのわずかのヘイケボタルを放しました。その結果、ホタルが年ごとに周辺のヨシ原に広がり、今では毎年7月上旬から8月下旬まで沼周辺の夜を光の輪が彩ります。
 ホタルの保全と併せて周辺には、希少植物のジョウロウスゲやナガボノシロワレモコウ・ナガボノアカワレモコウ、ミズワラビなどが生育しています。これらの保全も会の大切な活動の一環です。

黒浜沼周辺の水路で定期的に、ホタルの幼虫のエサ となるヒメタニシを採取し、ホタルの里の水場へ放 す会員ら
総合学習で黒浜沼周辺を訪れ、会の案内・解説で黒浜沼上沼の水鳥を観察する地元の小学校児童ら