はけの自然を大切にする会

第2回 | 選定地

小金井はけの森とキンヒバリの里

[所在地] 東京都小金井市 [面積] 約583㎡ [活動開始] 2009年4月

 小金井市の中央を東西方向に縦断する形で続く国分寺崖線。多摩川の流れによって形づ くられたこの段丘に沿って、斜面林や湧水が点在しています。その一角に「はけの森」 と呼ばれている斜面林が広がっています。
 森の中には湧水があり、そこから流れ出たせせらぎは道路の下を通って向かい側の湿地に 注いでいます。この湿地には、都内で絶滅のおそれのある昆虫「キンヒバリ」をはじめ、湿 地性の植物や昆虫が数多くすんでいます。私たちはこの場所を「キンヒバリの里」と名付けて、 森と湧水、湿地を一体で残すための活動を行っています。
 2009年には、国有地だったこの湿地を売却する話が持ち上がりましたが、私たちの会の働 きかけによって、小金井市が保全を目的に取得しました。湿地の一角には、現在も駐車場と して利用されている私有地があることから、多くの方々から寄付を募るトラスト活動を行っ て、土地の取得を目指しています。
 春から夏にかけてキンビバリの美しい鳴き声を聴くことのできるこの湿地を、小金井市の 財産として地域で共有できるように、自然観察会や環境管理などの行事を通じて、積極的に 呼びかけていきたいと思います。

湿地の中を流れる湧水の保全を呼びかける看板を設置しました。枯れることのないせせらぎが豊かな湿地を育んでいます
湿地の向かいにある、武蔵野の面影を残した雑木林「はけの森緑地」。東京都と小金井市が買い取って保全しています